【けがをしたとき】
切り傷、擦り傷、咬創などの外傷ややけどでは、可能であれば創部を洗浄し速やかに受診してください。キズパワーパッドなど、粘着の強い、創を覆うタイプの被覆剤は使用せず受診されることをお勧めします。
出血が多い場合はしっかりと創部を圧迫して、腕や指であれば高い位置に上げてください。キズの状態に応じて、局所麻酔をして洗浄やデブリドマン(汚染した創周辺の組織を取り除く)を行ったり、縫合をしたりする場合があります。また、釘を踏んだ場合や、犬や猫やヒトにかまれたキズでは、破傷風のリスクがありますので、医療機関を受診してください。
【キズパワーパッドの使用について】
創傷治癒を促進するために湿潤環境を作るウェットドレッシングが話題になることもありますが、基本的に医療機関を受診せずに自己判断でキズを閉鎖環境にすることはおすすめできません。野菜を切っていたきれいな包丁で軽く指先を切った場合などには、湿潤環境を作るキズパワーパッドなどは大変有用だとは思います。しかし、感染のリスクのあるキズ(転倒して擦りむいたキズ)や、浸出液(ジュクジュク)の多いキズは、十分な処置をして感染リスクを取り除く必要があります。その後にウェットドレッシングを行った場合には、創部の痛み軽減や治癒の促進が図られます。